« 2011年6月 | トップページ | 2011年9月 »

2011年7月

2011年7月21日 (木)

最果てのラッセル(2)

北海道滞在4日目。この日は雪の予報。それも強く降るとの事。「雪を蹴散らすラッセル車」と撮るチャンス!!

だが・・・前日に雪山からの俯瞰撮影を試みようとカンジキを履いてトライした時に汗をかいてしまったせいか、一日雪山にいたせいか、夜にホテルで寝ている時に冷えてしまったのか・・・あまり体調がよろしくない。

しかも今日は、道北から道東に移動する道すがらラッセル車を撮るという、比較的過密スケジュール。「体調がよくない」なんて言っている場合じゃない!!

気持ちを奮い立たせ、ルルを飲んで・・・稚内初発に乗り込み、撮影ポイントの最寄駅まで約2時間の列車の旅を楽しむ。

最寄駅に近づくにつれ、雪が降め、吹雪き始める。駅に着くと・・・ありえない降雪。この感じだと、撮影場所の感じからして望んでいる写真が撮れることは間違えなさそう。

しかし駅からポイントまでは徒歩1時間。さすがに体調を考慮すると気持ちが折れそうになる。しかしこんな好条件を目の前に、撮影中止などありえない。吹雪の中に身を投じる。

『視界ゼロ』とはまさにこのことで、何にも見えない。一面真っ白!!

ヒートテックを下着として着ていたので、歩くと暑い。また汗が出てきた!!やばい・・・。

猛吹雪の中、汗をかかないようにゆっくりと歩くこと、ジャスト1時間。

カンジキを装着して少し築堤を登れば、そこは以前に見つけていた、ラッセル車をアウトカーブから捉えられる最高の撮影地。

猛吹雪の中セッティングを済ませるも、通過までまだ2時間以上ある・・・。「同業者に場所を取られないように」と早めに来たが、悪天候過ぎて、同業者は結局一人も来なかった。

2時間・・・ひたすら吹雪に身をさらす。

特急・普通と、ラッセル車通過前に通り過ぎて行ったが、レールが埋もれる程のドカ雪にも関わらず定時通過・・・。

流石!!

そして・・・いよいよ・・・轟音をたてながら、ラッセル車が現れる。意外とスピードが出ていた。パウダースノーを身に纏わせながら『冬の神様』は短く電笛を鳴らし、通過していった。

Img_0079

この一枚を得るのは、容易なことではなかった。

しかしこの出来を見ると、苦労など一瞬で吹き飛んだ。

出来に満足していたのも束の間。今から1時間10分後に来る普通列車に乗らなければ、この日のうちに道東に行くことが出来ない。

急いで撤収しようとするも、かじかんだ手で猛吹雪の中で片付けするのは一苦労。明らかに10分以上かかってしまった。

「汗をかかないように・・・」など言ってられず、足早に遠い駅を目指す。

やっとの思いで駅に着いたのは、列車到着の5分前。これ以上、体の様態が悪化しないように下着だけ着替えて列車に乗り込む。その後は旭川までひたすら爆睡。

それでもまだ体が重く、旭川で時間を作って、近くの薬局で「ストナ」を購入。

「ストナ」を飲んで、そして・・・「スーパーカムイ」の中でまた爆睡。

札幌で「スーパーおおぞら」に乗り換える頃には食欲も少し回復。

そして釧路に着いたのは、日付が変わる少し前。

『やりきった感』は大きかったが・・・この日の事は、一生忘れることはないだろう・・・。

2011年7月 7日 (木)

最果てのラッセル(1)

最近、老朽化で数を減らしつつある国鉄型のラッセル車。

『ラッセル車』とは豪雪地帯の路線にのみ配置され、線路に降り積もった雪を旅客列車が走れるように均していく、言わば「働く列車」。

その多くは、旅客列車が走らない深夜・早朝に不定期に運転され、撮影させていただける機会がない。

ただ、北海道北部の稚内~旭川間の「宗谷本線」を走るラッセル車は、昼に運転される上に定期運行されている。故に各地点の通過時刻等の情報が容易に手に入るので、低温・豪雪という酷な条件にも関わらず、全国からファンが集う。

私自身もこの「宗谷本線ラッセル撮影プロジェクト」は何度かトライしているが、毎回腕及ばず撃沈・・・。

・雪山バックのラッセル車。

・雪を蹴散らすラッセル車。

・雄大な北海道らしい風景の中を行くラッセル車。

・・・撮りたいカットを挙げればキリがないほど、イメージは湧いている。ただそれを形にするのは容易な事ではない。撮影ポイントまでのアプローチ方法を熟知した上で気象条件を味方にする必要があり、ハードルが高い。

2011年も長期休暇を貰って、リベンジに出撃した。

1月17日、前日まで日本海側の悪天候で3日間連続で運休していたトワイライトエクスプレスで大阪から北海道に向けて出発。

新津あたりまでは定時で運行されていたものの、やはり海が近くなればなるほど天候が荒れ始め、羽越本線ではついに最徐行運転。強風が吹く度に停止する有様。青函トンネルに入る頃にはすでに夜が明けており、札幌到着は3時間14分遅れ。

この日は宿舎を予約している稚内まで移動しなければならず、結局この日は撮影が出来なくなった。

翌1月19日、稚内初発で撮影ポイントへ向かう。駅を降りると一面、見事な樹氷。

俯瞰ポイントから撮ろうと片道徒歩40分・・・そこからカンジキを付けて山に入りアプローチを試みるが、如何せん初めての場所の上に雪深く、30分ぐらい彷徨うも場所がわからず、時間が無くなってきたので断念。

ダッシュで駅方向に戻り、この樹氷を活かせるように作図できる場所を探す。

そして・・・ラッセル車が登場。

Img_0022

この『紅白』な感じが美しい。

一面の銀世界の中に、赤いラッセル車がよく映えている。

こんな写真が欲しくても撮れなかった。写真の腕云々よりも『運』がモノを言う。

前述したように、やはり気象条件が良くなければ、お話にならないのである。

ラッセル車はこの先の大きな駅で『昼休憩』で1時間近く停車する。その間に追い抜いて先回りして、もう1発。

Img_0047

雪山バックのラッセル。

これも欲しかった絵の一つ。

この場所も以前から見つけていた場所。背景を見て迷いはなかった。

「例年に比べて積雪が少ない」と言われているが、この景色があり、その中でラッセル車も雪掻きをしている・・・私にとっては、これで十分である。

この宗谷地方にも何度も足を運んでいるが、やっと撮れた『ラッセル車らしい絵』。宿舎へ帰る列車の中で、何度もプレビューを見返して、本日の収穫の余韻を楽しんだ。

« 2011年6月 | トップページ | 2011年9月 »